自社製品の売上で従業員の給与をまかなえるようになった

パッケージ製品のお話

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4 min readJul 15, 2017

目標としていた社員の給与をすべて自社製品の売上でまかなうというのが達成できた。ということで自社製品ほんとうに売れるまでの距離が長いという話をしたい。

前提

  • 資金調達は一切していない
  • 社外のお手伝いしてお金を稼ぐ

資金調達している時点で、そのビジネスに注力できるのでこの話は関係ない。

よくある話

そもそも資金調達していないので、完全に社外のお手伝いに依存することになる。社外のお手伝いはいつなくなるかわからない。

社員に給与は払わなければいけないので、役員は自分の給与以上に働く必要がある。忙しくなる。自社製品作ってる暇がなくなる。

結局社外のお手伝いがメインの会社になる。

ここまでがよくある話。

社外の手伝いが忙しい会社ほど自社製品を作りたいという話を良くしている。実際は何もしていない。

自社製品を作るのが難しい

誰もが売れる製品を作れるわけではない。売れる製品は正直、運の要素がかなり高いと思っている。

なので、作ってみるしかない。アイデアベースで考えるのも大事だがプロトタイプを作ってみるところまでは行く必要はあるだろう。ピボットはその後。

自社製品を認識してもらうのが難しい

資金調達していない以上は、外にアピールして認識してもらうのがとても難しい。広告を打つにもお金の限界がある。

口コミが現実的になる。あとは営業を頑張るとか。

自社製品が売れるのが難しい

そして認識してもらったとしても、競合がいるならばそこと比較される。買ってくれるとは限らない。宣伝のために無料枠があるなら、無料で足りてしまうかもしれない。

お金を出してまでほしいと思う製品自体がそもそも少ない。そして人はカスタマイズに走る。

少なくとも 1 社でいいので、その製品をお金を出して買う理由が必要だ。

自社製品が継続的に売れるのが難しい

一つ売れたからといって爆発的に売れるわけではないし、もし人気が出たらすぐに競合がでてくると考えて良いだろう。競合が出てこないと考えている人がいるがそんなことは無い。貴方と同じように自社製品で食べていきたい人は沢山いる。

調達している二番煎じ会社にに全力で追いかけられたときの体力があるかどうか、たぶんそんなに売れていないだろうから体力はないはず。

絶望的だ。

実際経験した話

自社の主力商品の開発期間は 1 年。その間は社外のお手伝い(リモートでの自社からのお手伝い)をしつつ平日の夜と土日をほとんどつぎ込んで開発。社員は社外のお手伝いに注力。

リリース後は、それまでにためたお金を使ってほそぼそと社外のお手伝いをしつつ、社員全員で自社製品の開発や、自社製品を体験できるサービスをリリース。またサポート体制やドキュメントを揃えたり、SDK の開発を進めていった。

リリースから売れるまで半年かかった。そして社員の給与をまかなえるまでさらに 1 年かかった。

開発開始から 2 年半かかってやっと給与をまかなえるところまできた。これはおそらくかなり運がいい方で、本来はそんなうまくいかない。実際に現在の主力製品の前に、2つ自社製品を出しているがあまり売れていない。

そして売れた理由を振り返ってみても、運の要素が多すぎる。

  • 競合が国内にいなかった
  • 既存技術がオワコンになった
  • 大手がその技術に対応した

手を動かす

もし社外のお手伝いではなく、自社製品で食べていきたいのであればとにかく手を動かしておくしかない。開発から最初に売れるまでの時間は早くても 1 年はかかると思って良いと思う。

そしてせっかくリリースして成功したとしても調達している会社が追いかけてくる。とにかく手を動かすしか無い。

恐ろしいほど売上は遠くにいる。簡単に近づいてきてくれない。そして一瞬でその売上はいなくなる。手を動かし続けるしか無い。

自社製品よりに書いた時雨堂自社製品コトハジメというの書いた。もしよろしければこちらもどうぞ。

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