自社製品で食べていけるようになるまでやったこと
ミドルウェアのパッケージ製品で食べていけるようになるまでやったことを自分のメモ代わりにまとめておきます。
製品の事業計画を明確にしない
自分が想定したとおりに行くことが少ないこともあり事業計画を書いたりしません。日々の状況を見ながら判断をしていくということをしています。そのため中長期的な計画は品質の向上くらいにしておき、機能追加に関してはその度々に考えて実装していくのが一番です。
変化が早い分野でもあるので、事業計画を用意するメリットが零細企業にはないと考えています。
リリース前の開発進捗を共有する
ステルスはデメリットが多いと判断し、今開発しているもの開発中の状況などを共有しました。これは「製品をステルスで開発して、出したとしても買ってもらうまでの時間がかかる」と考えたからです。
それよりはあの会社があんなの作ってるそろそろ出るらしいと思ってもらえたほうが検討してもらいやすくなります。
今、 QUIC サーバを実装していますが、できるだけ進捗を共有しています。
人は「勝手にその会社をブランディング」していきます。WebRTC や QUIC をやって発信し続け、改善し続けていることを共有し続けるのがとても重要です。
何をやっているのかわからない、いつリリースされるのか未定が多い製品では興味を持ち続けてもらうことは難しいです。
その分野の資料を書く
これは徹底的にやりました。自社でフルスクラッチで開発していることもあり、その分野についてはある程度詳しくなります。そのためできるだけいろいろな視点からの資料を書きました。
現状を把握するための資料、未来を把握するための資料、ビジネスで利用する場合の資料、マニアックな資料。
とにかく資料が自社製品への動線になってくれます。実際自社製品のサイトへのアクセスの 50% は資料からです。
その分野の資料を更新し続ける
そして、資料を淡々と更新していくのが重要です。殆どの資料は時間とともに古くなっていきます。ただ更新される資料と認識されることで何度も見に来てもらえるようになります。
また人は「いつ書かれた資料なのか」をとても重視します。毎月更新していれば古くても一ヶ月前の資料になります。
最新の情報がのっている、最新の情報に追従できている会社とも思ってもらえるようになります。
ウェブサイトは更新する
ウェブサイトはあるがお知らせがほとんど更新されないサイトだと問い合わせしにくいと考えています。
そのため、積極的に更新をしています。自社製品のリリース、導入事例の追加、さらに導入事例の更新もしています。
読みやすくするため細かい部分で更新したりもしています。
導入事例許可が出ない場合は割高にする
大手ほど「どこに導入されているのか」をとても気にします。ただ大手ほど導入事例をくれないという経験がありました。
そこで、導入事例の許可が出ない場合は金額を割高にする値付けをしてみました。なんと半数の顧客が導入事例の許可を出してくれました。
導入事例は一番の説得材料です。〜という会社が使っているからは本当に大きいです。
導入事例による割引ではなく、導入事例なしなら割高はおすすめです。
品質を優先する
自社製品は機能よりも品質や追従を優先しています。何よりも長く安心して使ってほしいという考えからです。
自社製品が問題なため、サービスが不安定になったりするのは一番避ける必要があります。そのため品質を最優先にしています。
失礼な顧客候補を相手にしない
そこそこな割合で、失礼な問い合わせがあります。
- 「ちょっと説明しに来い」
- 「自社製品と同じものをうちに納品してほしい」
- 「年間 1 万円で使わせろ」
- 「まずは受託契約を結べ」
- 「レベニューシェアでまずは無料で使わせろ」
- 「お金がないのでまず無料で使わせてほしい」
- 「競合製品の使い方教えろ」
- 「比較表を月曜日の朝までに出せ」
相手にせず、丁重にお断りするのが一番です。利益を出そうと焦るのはダメです。最初、失礼な客はずっと失礼です。
アーリーアダプターを大切にする
リリースしてすぐに購入してくれる顧客はとにかく大切にしましょう。まだ導入事例もない中で購入してくれるのは、本当にありがたいことです。
Twitter で宣伝する
導入事例を公開した時は Twitter で宣伝するようにしています。Twitter は気軽に利用できますし、興味ある人の記憶に残しやすいです。
やらなくなったこと
- プレスリリースを打つ
- 勉強会に申し込んで発表する
それよりはコツコツ資料書いて更新していったほうが良いです。