時雨堂の 9 期方針

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6 min readOct 4, 2020

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8 期が終わり、9 期に入りました。時雨堂の方針を書き出していきます。

まとめ

今期は既存のお手伝い先以外からの仕事以外は受ける予定はないため、売上の殆どが自社製品からの売上になる予定です。

自社製品に徹底的に投資をしていきます。

自社製品 (クローズドソース) への投資

WebRTC SFU Sora

最優先は WebRTC SFU Sora への投資です。発行済みライセンスが 700 を超えて多くのお客様に使っていただいております。ただまだまだ改善できるところは多く、今期も前期に引き続き Sora への投資をしていきます。

  • サイマルキャスト正式版のリリース
  • サイマルキャストの設定カスタマイズ対応
  • サイマルキャスト録画への対応
  • サイマルキャスト転送への対応
  • スポットライト録画への対応
  • E2EE 対応
  • シグナリングの DataChannel 対応
  • QUIC / WebTransport 対応

ざっと適当に書き出しただけでもこれくらいあります。一つ一つの機能が重めなのが多いのですが、できるだけ早めに対応していければと考えています。

今後、サイマルキャストを正式版としてリリースしていき、基本的にはサイマルキャストありきで進めていこうと考えています。

その理由としては Chrome / Edge だけでなく Safari が 14 にてサイマルキャストに対応し、Firefox も 11 月リリースの 83 でほぼほぼ問題なく動作するところまで行くと見ているためです。

E2EE (wasm 版) もまずは実験的機能として追加していきます。E2EE は今後、選択できることが必須になっていくと思っています。

シグナリングに WebSocket を利用している場合、WebSocket が WebRTC より先に不安定になるという問題もありこれの抜本的解決を行いたいと考えており、最初だけ WebSocket を利用し、その後は DataChannel 経由でシグナリング通信を行いたいと考えています。

2021 年からは WebTransport に取り組んでいく予定です。まずは WebCodecs + WebTransport に対応した WebRTC SFU を提供できればと考えています。ただまだまだ仕様が確定しているわけではない世界ということもあり、様子を見つつ追従していきます。

WebRTC シグナリングサーバ Ayame (Erlang/OTP 版)

現在 WebRTC シグナリングサーバ Ayame は Go 実装をオープンソースとして公開しております。Ayame の強みは「シグナリングの仕様がオープンになっていること」だと考えています。

そこでこの仕様にそった時雨堂が商用プロダクトとしても利用可能な作り込んだ Ayame を提供したらどうか?と考えています。

自社製品 (オープンソース) への投資

Sora SDK

大幅な機能追加ということは特にありません。とにかく使いやすく改善していくというのが目的です。Sora Unity SDK だけは少し遅れていますが、焦らずやっていこうと思っています。

libwebrtc のアップデートは積極的に行っていきます。

Sora デモ

今まで Sora にだけ組み込まれていたデモ機能を完全に 1 から書き起こしてオープンソースとして公開しました。すでに色々フィードバックいただき修正したりしています。今後も積極的に改善を進めていきます。

Sora E2EE

前期で一通りの研究開発が終わり、今期はプロトタイプの開発から正式リリースという流れに持っていければなと思っています。

WebAssembly を利用したプロトタイプの開発は進めており、 年内にはオープンソースとして公開できればと考えています。

WebRTC ネイティブクライアント Momo

前期で一通りほしかった機能を実装したため、今後はゆっくりやっていきます。libwebrtc のアップデートは積極的に行っていきます。

WebRTC シグナリングサーバ Ayame

Go 版はメンテナンスモードとして進めて、仕様の整理をしてよりわかりやすく、簡単にしたいと思っています。

Web SDK やサンプルも見直しをして行く予定です。

それとは別に商用で利用可能な部分まで作り込んだ Erlang/OTP 版を公開予定です。これはバイナリのみの公開とし、無料で提供予定です。

WebRTC 負荷試験ツール Zakuro

今期力を入れていく OSS の1つです。今後はマルチチャネル化で設定ファイルからシナリオを読み込めるような仕組みを追加予定です。

また、まだ対応するかわかりませんが、 Ayame への対応も検討中です。

今までの培った負荷試験のノウハウを注ぎ込んでいきます。

録画合成ツール Hisui

まだ公開はしていませんが、今期力を入れていくもう 1 つの OSS です。今の所 docker 経由で気軽に利用できるようにしていくという方針ですすめています。

Sora の録画ファイルとメタデータがあるところで実行することで録画ファイルを合成して出力してくれます。

今後はレイアウトなどもいじれるようにする予定で、こちらは 2020 年内にファーストリリースを予定しています。

React Native WebRTC Kit

サイマルキャストの対応を進めています。2020 年内にはリリースできそうです。

また macOS 対応も並行して進めています。これはまだチャレンジしている最中なのでどこまで動くかはわかりませんが、試行錯誤しながら進めています。React Native を利用し WebRTC を利用したデスクトップアプリが開発できるようにしたいと考えています。

自社サービスへの投資

Ayame Labo

Ayame Lite というサービスをベータ版として提供していますが、こちらを正式リリースする予定です。名前は Sora Labo と揃えるために Ayame Labo にしようかと思います。

Ayame Labo は今まで通りサインアップしなくても利用可能は継続します。もちろん無料で利用可能で、商用利用、法人利用もサインアップさえすれば利用可能にする予定です。ただし動作保証はしません。

今までは Ayame (Go 実装) で提供していましたが、今後は商用利用可能な Ayame (Erlang/OTP 実装) で Ayame Labo を提供する予定です。

Sora Labo

Sora を個人であれば申請なしで気軽に検証でき、法人やアカデミックでも気軽に利用できるサービスとして提供し始めて、かなりの方に使っていただいております。

現在はさくらインターネット様にご提供頂いているサーバ上で動かしていますが、複数のクラウド環境を試せるようにしたいと考えています。

前期もかなり自社製品に投資してきましたが、今年はそれ以上に投資することでより使いやすい製品を提供していきたいと考えています。

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