時雨堂 9 期振り返り

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5 min readAug 30, 2021

時雨堂は 9 月が期末です。ただ、色々やる事が山積みなので、少し早いですが振り返っていきます。

粛々と改善し続けた 1 年

時雨堂の 8 期は、自社製品を粛々と改善し続けました。特にプロジェクトマネージャーが参戦してくれてからは、劇的に改善が進みました。

クローズド製品は自分、OSS 製品はプロジェクトマネージャーと担当を分けられたのも大きかったです。

WebRTC SFU Sora 、Sora SDK 、Momo 、Zakuro 、Hisui、webrtc-build など多くの OSS 製品を改善することができました。

方針通りには進んだ

前期に上げた会社の方針は以下の通りです。

主力製品である Sora を採用したくなる OSS の提供

実際、既存の OSS だけでなく新しい OSS を提供することもできました。

特に新しい OSS は時雨堂としては設計、ドキュメント、リリースのみを行い、開発や検証は全て外部の方にお手伝いをお願いできたのはとても良かったです。

特に Hisui はかなり無理を言って春山さんに開発してもらいました。断続的にですがお手伝いいただいて大変助かりました。

それ以外にも Sora iOS SDK や Sora Android SDK にも積極的な投資を行い、今までリソースが足りずにできていなかったことを積極的に行えるようになりました。これらも外部の方にお手伝い頂きながら開発できました。

自社クローズドソース製品

自社製品である WebRTC SFU Sora は多くのお客様に使っていただけており、いろいろな機能を追加できています。

スポットライト機能や DataChannel シグナリング機能といった、時雨堂特有の機能を出せたのもとてもよかったです。今後は WebRTC だけでなくミドルウェアとしての価値を出すため、クラスタリング機能やインターコネクト機能などに力を入れていく予定です。

製品の質、性能、使いやすさ、などなどやることは山盛りですができるだけ長く使える製品を作り続ければと思っています。

フルリモート

今期は前期からフルリモートを継続しました。従業員は一度も出社せずに過ごせました。打ち合わせは自社製品で行いました。

まだまだフルリモートが続くと考えています。この1年でフルリモートでできる範囲の事をやっていく、無理をしないというのが重要だと感じました。

売上

今期の売上げはまだ見えていませんが、3 月には月の売上が 4000 万円を超えました。従業員が 4 名の企業としては驚異的だと思います。

過去最高の売上だった前期を超えました、それも大幅に。自社製品の売上割合も上がりました。今期も前期を上回る賞与で 1 人 1000 万円以上の予定です。

スポンサー

今期も OSS 開発者や OSS のスポンサーになりました。

  • Let’s Encrypt シルバースポンサー 10,000ドル
  • OpenSSL シルバースポンサー 10,000 ドル
  • Erlang Ecosystem Foundation スポンサー 5,000 ドル
  • Sphinx 開発者 小宮 健 6,000 ドル
  • Cowboy 開発者 Loïc Hoguin 3,000 ドル
  • AsmJit 開発者 Petr Kobalicek 3,000 ドル

合計 37,000 ドルでした。

寄付

今期も寄付をしています。

合計 299 万円でした。

コミュニティ

前期から続けているオンラインイベントもかなりの数になりました。コミュニティ運営という意味でも、実りがあった 1 年でした。いろいろな方が積極的にフィードバックや、情報を提供してくれるようになりました。

とにかく匿名である事を重視して運用するのはとてもよかったです。

10 期に向けて

来期は自社製品の SaaS を提供予定です。ただの SaaS ではなく他社には無い自社製品の強みを生かした製品を提供します。

WebRTC SFU Unmetered Service Tobi

WebRTC SFU Sora をマルチテナントとして提供し、転送量での課金を行わず、帯域課金、転送量使い放題定額プランを提供するサービスです。

詳細は開発ログを書いているのでそちらをご覧ください。

提供する背景としては、一つは転送量課金では作れないサービスを作って欲しいというものです。多くの WebRTC SFU SaaS は転送量や利用時間課金です。これでは 4K@30fps の映像を 24/365 配信するといったサービスをすることが難しいです。これを実現するためのサービスが出てこなさそうなので、自分たちで提供してしまおうと考えています。

もう一つはもっと多くの企業に WebRTC SFU Sora をつかってもらいたいというものです。WebRTC SFU Sora はパッケージ製品という事もあり、運用する体力が必要になります。体力なしで、気軽に Sora を使えるという仕組みを提供できればと思っています。

その取り組みの一つとして転送量課金ではない帯域課金のサービスを提供していければと思います。

多くの顧客で利用されている自社パッケージ製品の SaaS 化ははじめてなので、とてもドキドキしています。

来期はパッケージと SaaS の二本柱を目指して行きます。既存の WebRTC SFU SaaS に風穴を開けられればと思います。

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