オンラインで WebRTC 入門を開催しました

V
May 25, 2023

--

WebRTC を学びたい人に向けての入門イベントを開催しました。

  • 平日の昼間 14:00–18:00 の 4 時間
  • 匿名での参加のみ
  • 無断キャンセル可、無断退席可
  • 録音、録画、SNS での共有禁止
  • アーカイブなし
  • 講師用の資料は公開
  • 資料は2周する
  • 発表者は一人が 4 時間話す (延長戦含めて実質 5 時間)
  • 1 時間に休憩は 3 分程度

というかなり偏った内容で応募しました。275 名の申し込みがあり当日は 219 名の参加(同時接続数なのでもっと多いかも?)がありました。

4 時間(+延長戦 1 時間) 熱気が冷めることなく、盛り上がり、開催して良かったなと思いました。ご参加頂いた方ありがとうございました。

今回のイベントに対する自分のスタンスや、講師のスタイルを雑に書いていきます。

ライブ感を大切にする

オンラインイベントって基本的に一方向だと面白くないなと思っているので、積極的に Discord でコメントしてもらい、それをリアルタイムで拾って回答していくというのを心がけました。

基本的に WebRTC プロトコルスタックに関しては知らないことはないので、聞かれたらすぐ答えるを大事にしました。WebRTC SFU での配信のため、超低遅延ということもあり、コメントにすぐ反応できるというのも大事です。

参加者に Discord でメモしてもらう

オンラインイベントってメモが取りにくい気がします。メモを取ってると聞き逃すこともあったりします。であれば「参加者が皆気になったことを聞いて、回答されたらそれを Discord にメモしていく」というのはどうか?と思い参加者に積極的にコメントしていって貰う事をお願いしました。

自分のメモを皆が共有していけば、イベントが終わったときに大量のメモが Discord チャネルに残ります。共有知です。

実際、多くの方が、質問して私が回答した内容を編集して追記してくれていました。これはかなりうまくいったので今後も採用しようと思います。

資料は2周する

イベントの発表って当たり前ですが発表資料を最初から最後まで発表して終わりですが、これをもう一回繰り返すととても良いと思っています。

つまり最初はざっと解説して、その後気になった点を詳細に解説していくという手法です。1週目で視聴者はある程度知識を得ているため自分の気になった点をとても聞きやすくなります。

理解も深まります。発表当日に予習して復習する感じです。

評判も良かったようで何よりです。

知らないことは事前共有する

自分はこの分野はわからないので今回は説明しませんと、はっきり伝えました。主に libwebrtc の実装内容とハードウェア (HWA) についてです。伝えておけば質問はきません。

アーカイブは残さない

参加者は後からアーカイブ見ればいいかってなってしまうと思っています。私はなります。なのでアーカイブは一切残しません。もしもう一度聞きたかったらまた参加してくださいという方針をとっています。

話す内容を固定しない

匿名での参加を前提としているため、どんな参加者がいるかわかりません。なので、大体こんなことを話したいというのを決めておくだけで、あとは参加者が知りたい事を優先します。

今回だと ICE と TURN にかなりの時間を使い、SFU についてはほとんど話しませんでした。まさか TURN にこれだけ興味を持って貰えるとは思っておらず。

やはり、話す内容は固定しなくて正解だなと思いました。

匿名

大事です。オンラインは特に。申し込みフォームに所属とかメールアドレスとか電話番号とかを色々書かされるの嫌じゃないですか。

iPad によるホワイトボードでの配信

OBS にブラウザ (Gist) と iPad を画面共有した画面のシーンと iPad だけの画面共有のシーンを用意して、瞬時に切り替えられるようにしました。ただ、切り替え忘れることが多かったです。

iPad に図を書きながらリアルタイムに説明するというのを積極的にやりました。やはりホワイトボードを利用した解説は便利です。

結局、図を書いて説明するのが一番わかりやすいと思っています。事前に用意された図だけの説明だと相手が知りたい事が違う場合融通が利かないので。図はその場で書くが大事です。

用語を覚えてもらう

プロトコルの世界は「なんとなく覚えてる」だと調べにくいのでポインタとなる用語を覚えて貰うことを意識しました。なので積極的に用語の解説をしました。後から ChatGPT で学べるように、というのもあります。

意味をふわっと理解するのではなく、まず用語を覚えるのが凄く大事です。

歴史(過去)を話す

流れを理解するのって、凄く大事だと思っています。特に歴史。なぜ今こうなってるのかは実務ではすでに廃止されてたりするので役に立たないことが多いですが、仕組みを理解するのには役立ちます。歴史的経緯ってやつですね。

あまり解説がされていない話をしっかりする

今回はデータチャネルとその中身、さらに ICE と TURN についてしっかり話をしました。全て自前で実装し、多くの商用環境で動いてるので理解について間違いはほぼないと思います。

実際 ICE と TURN は本当に難しく、理解するのは大変だと思います。

中立でいる

今回は WebRTC 入門としたため、自社製品の宣伝は一切していません。名前も出していません。さらに他社製品についても触れていません。営業目的ではなく、WebRTC の正しい知識を持ってる人が増えることを目的としています。

なんというか、押しつけがましい自社製品アピールより、しっかり WebRTC を理解している人が居る会社というだけで充分な宣伝だと思っています。

自社製品イベントは別途やってるので、興味があればそちらへ参加どうぞとだけアナウンスしました。

平日昼間に開催する

なんとなく参加ではなく、本気の方だけが参加してくれるのと、自分が平日昼間の方が疲れなくていいなと思いってというのがあります。大変良かったので、今後も平日昼間開催にしていこうと思います。

開催の宣伝はしっかりする

定期的にツイートやリツイートをするようにしました。しつこく宣伝するの大事です。

まとめ

大変好評で良かったので、次回は半年後かなとと思っていましたがもう少し短いスパンで開催しようと思います。

改めて、ご参加ありがとうございました!

蛇足

最大転送量は約 800 Mbps で、転送量の合計は約 900 GBくらいでした。

感想など

--

--