WebRTC ネイティブライブラリガイド for iOS and Android
時雨堂の CTO である SUZUKI Tetsuya による ネイティブライブラリガイド for iOS and Android という解説書が Zenn にて公開されました。
価格は 5000 円しますが、継続的な更新が前提での価格ですし、ここまで網羅されている内容は世界的にみてもほとんど無いと思いますのでお買い得です。
まとめ
ノウハウしか詰まってないから買うべき。
色々まとまりなく書いてみました。
CTO の立ち位置
SUZUKI Tetsuya は現在、時雨堂で働くほぼ全ての時間で Sora iOS / Android SDK 開発、または React Native WebRTC Kit の開発を行っています。ほぼというのはたまに Erlang のライブラリを作らされたりしています。
WebRTC SFU Sora がでて今年の 12 月でちょうど 5 年立ちますが、 CTO は殆どの時間をモバイル 向け SDK の開発をしています。この経験をしている人は世界を見てもほとんどいないのではないでしょうか。ちなみに、SDK だけではなく社内で使うモバイル用のテストツールなども開発しています。
libwebrtc の iOS / Android SDK は力が入れられていない
実は libwebrtc の iOS / Android 向けの SDK はあまりリソースが注ぎ込まれていません。バグがあったとしても放置されることが多いです。
そのため時雨堂では色々 libwebrtc にパッチを当てたりもしています。これらのノウハウは全てオープンソースとして公開していますが、ソースが公開されているだけじゃわからないはずです。
そもそも libwebrtc だってソースが公開されていますが、詳しい人はほとんどいないでしょう。
SDK は難しい
そもそも libwebrtc を利用した モバイル向けの SDK 開発はとても難しいです。libwebrtc がしんどい、さらに libwebrtc の iOS / Android SDK がしんどい、そして SDK 開発がしんどいという 3 重苦です。正直バッドノウハウしかない世界です。
Sora のモバイル SDK を開発するには libwebrtc の知識、libwebrtc の iOS / Android SDK の知識、iOS / Android の知識、さらに WebRTC SFU Sora の知識が必要になります。
OSS
Sora iOS SDK と Android SDK、React Native WebRTC Kit は Apache Licesne 2.0 としてオープンソースで公開されています。そのためノウハウもへったくれもありません。
仕事が OSS 前提だと、隠すことがなくて楽ですね。
獣道を歩く
今回の WebRTC ネイティブライブラリガイド for iOS and Android はそんな「獣道」をあるき続けている人が継続的に更新していく解説書です。
継続的に更新していくというのは実はとても重要です。CTO も書いていますが libwebrtc は積極的には快適変更をしてきます。一つ前のバージョンで利用できたライブラリが使えなくなるなんてよくある話です。
libwebrtc と iOS と Android を同時に追いかけるのは相当大変です。専任でやっている CTO ですら、しんどそうにしているときが多々あります。これを片手間でやるのは無理でしょう。
蛇足
今回は CTO が個人として解説書を書いてくれたのをとても感謝しています。
本来は会社としてやるべきなのでしょうが、残念ながら会社として専門的な書籍を業務として行い、売上を上げるというのはとても難しいです。
個人の臨時収入としては良いが企業の売上としては見合わないというのが現状だと思っています。