WebRTC Native Client Momo の Windows 版や WebRTC SFU Sora の Windows SDK を開発するには Visual Studio が必要なため、 Professional 版のライセンス購入することを検討していました。
ところが知り合いから、零細企業であれば Community ライセンスというのがあって最大 5 ユーザまでは使えるという話を教えてもらったので、調べてみることにしました。
さすが Microsoft です、ライセンスについてとても丁寧に書かれているので、見ていきます。
組織が学習環境のクラスルームで、アカデミックな研究のため、あるいはオープン ソース プロジェクトに寄与するために、Visual Studio Community を使用する場合には、ユーザー数に制限はありません
今回、自社で開発予定の Momo の Windows 版と Sora の Windows SDK はオープンソースプロジェクトとして公開し、開発をしていきます。オープンソースの寄与であれば問題ないようです。
エンタープライズ以外の組織では最大 5 ユーザーで Visual Studio Community を使用できます。 エンタープライズ組織 (PC 250 台または年間売上が 100 万米ドルの組織) については、オープン ソース、アカデミックな研究、学習環境のクラスルームといった前述のシナリオ以外で使用することはできません。
自社は年間の売上が 100 万アメリカドル以上の売上があるため、エンタープライズ組織という扱いにはなります。ただし、オープンソースに対しては例外扱いになるようです。
より詳細なライセンスについての説明が Visual Studio Community のライセンス条項にかかれているようなので見ていきます。
お客様のユーザーは、人数に制限なく、本ソフトウェアを使用して、Open Source Initiative (OSI) 認定オープンソース ソフトウェア ライセンスに基づいてリリースされるアプリケーションを開発およびテストすることができます。
OSI 認定オープンソースソフトウェアライセンスと書かれています。OSI に認定されているライセンスのアプリケーションを開発、テストに利用しても良いと読めます。
自社で開発するオープンソースはすべて Apache License 2.0 として公開しています。
Apache License 2.0 (Apache-2.0) が認定ライセンスの一覧に書かれてので問題なさそうです。
お客様がエンタープライズである場合、お客様の従業員および契約社員は本ソフトウェアを使用して、お客様のアプリケーションを開発またはテストすることはできません。ただし、上記で許可されている (i) オープンソース、(ii) Visual Studio の拡張機能、(iii) Windows オペレーティング システムのデバイス ドライバー、および (iv) 教育目的の場合を除きます。
自社はエンタープライズ組織に属しますが、オープンソース開発目的では問題ないと読めます。
もともとライセンスを買うつもりだったのですが、どうやらありがたいことにオープンソースの開発に対しては Visual Studio Community 2019 は利用が可能なようです。まずは Visual Studio Community を従業員やお手伝いしてくれている人に使ってもらって開発をしていこうと思います。
Microsoft のオープンソースへの理解が本当に素晴らしいです。
なにかライセンスに対する解釈の間違いなどありましたら、是非 Twitter の voluntas までリプライなり DM を送っていただけると助かります。