2018 年 WebRTC 振り返り

いろいろカテゴリ分けて振り返ってみます。

ブラウザ

  • Chrome が Unified Plan へ移行
  • Edge が Chromium ベースへ
  • Safari が VP8 や Unified Plan 対応へ
  • Firefox は大きなに進展なし

WebRTC といえばブラウザですが、ベースを変えるために仕込みがあった年と感じています。特に Safari が Techonlogy Preview で VP8 に対応してきたのは衝撃としか言いようがありません。

Chrome は重い腰を上げて Unified Plan への切り替えを進めて、 Unified Plan がデフォルトになる方向で進んでいます。

Firefox はあまり進展が見られませんでしたが、細かなバグ修正や SDP パーサが Rust 化されるなどの変更がありました。

そして 2018 年で一番大きなブラウザのニュースとして Edge が独自エンジンをやめて Chromium ベースに切り替わるということでしょうか。 WebRTC としては前が見えない Edge の WebRTC が前に進むのはとても喜ばしいです。

API

Unified Plan に対応することでブラウザ自体の API もいろいろと変わってきています。またブラウザ側の JS も変わってきているため WebRTC の記事の情報が古くなってきます。

特に今後は Unified Plan に切り替わり Plan B が廃止されることから ontrack の情報が必要になってくると思いますので、その辺りはアウトプットしていきたいです。

また WebRTC 向けの QUIC な API も仕様策定が進んだ年でした。WebRTC やっていく人は QUIC にも詳しくならないなんてひどい話です。

ビジネス

Agora.io が国内外でアピールしてきています。大規模な調達をし、国内ではブイキューブが独占契約を結んでいます。

KDDI がホストしている Twilio も強いです。

海外の強い会社が日本の代理店を契約してというパターンが強いです。マネーパワー恐るべしという感じです。

Tokbox が Telefonica から売却されたということでしょうか。それも Telefonica が買ったときと殆ど変わらない金額で。

WebRTC 単体のサービスで利益を上げるのが難しいという話を CoSMo の Alex が書いているので興味がある人は読んでみてください。

CoSMo は Medooze の開発者を雇って、オープンな WebRTC の世界に +アルファをすることでビジネスをしています。彼らのビジネスモデルはとてもシンプルで、WebRTC の開発を手伝ったり、オープンソースの製品に機能を追加して売るというビジネスです。

またシグナリングサーバを提供している会社と組んで、PaaS を始めたりもしています。売上も人数もどんどん増えているようです。

2019 年

Unified Plan への移行が一番でしょうか。来るかわかりませんが 2019 年後半には AV1 コーデックが来るという話も Google のイベントから出ています。Safari の次の Stable で VP8 が入るのもありそうです。

Simulcast が Firefox が採用している a=simulcast/a=rid を使った方式に切り替わっていくという流れもあるかもしれません。

Edge (Chromium) ベースが 2019 年の早いうちに出てくるという話もあります。後は、QUIC が間違って入ってきたりするのかもしれません。

WebRTC は変化が早い仕組みの一つだと思います。ただ、基本的にはリアルタイムで音声や映像、データを送る仕組みというのから外れることはありません。今よりより良い仕組みが 2019 年にはでてくるでしょう。

楽しみです。

今後

Google がイベントで、3 つ上げていました。WebRTC NV (Next Version) は、低レイヤーな API 、AV1 、QUIC です。

低レイヤーな API は RTP や DTLS といった部分を JavaScript の WebRTC API から触れるようにするという仕組みです。

AV1 はこれを読んで知らない人はいないと思うので省略します。

QUIC はまずは DataChannel の SCTP over DTLS over UDP を QUIC に置き換えるという流れがあります。その後 MediaChannel の DTLS-SRTP over UDP を RTP over QUIC に置き換え、その後 Media over QUIC に置き換えるという流れのようです。

つまり繰り返しになりますが WebRTC やってる人は QUIC にも精通していく必要があります。コーデック、デバイス、メディア、圧縮、P2P、暗号化、トランスポート、もう何でもありの世界です。やること多くて飽きなくていいです。

時雨堂

WebRTC SFU Sora のライセンス契約の売上を大きく伸ばしました。また、新製品である WebRTC Native Client Momo のテクニカルサポートの売上も好調です。

特に WebRTC SFU Sora はデジタルコマースの FANZA ライブチャットに採用していただいたのはマーケティング的な意味でも大きかったです。

WebRTC Native Client Momo は Tier IV の自動運転の一部に採用いただいたのも分野の開拓としてとても大きい一歩でした。

Sora の機能もスポットライト機能や Simulcast 、高ビットレート、前方誤り訂正などに対応してきました。現在は録画周りの機能を改善するため、抜本的にコードを書き換えていっています。

Sora を非利益目的であれば無料で利用できる WebRTC SFU Sora as a Service を提供予定です。やるやる詐欺で申し訳ないです。

また、今年同様 WebRTC 関連の記事をアウトプットしていきます。特に WebRTC コトハジメWebRTC の未来に積極的に更新していく予定です。

現時点でパッケージ製品としてはライバルが国内にいないこともあり、パッケージ製品特有のメリットを強め、国内でビジネスとして WebRTC を利用する場合の唯一の選択肢となることを目指して行きます。

WebRTC だけでなく QUIC にも力を入れていきます。

Written by

Erlang/OTP / 時雨堂 / WebRTC / E2EE

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