自分の会社ではいくつかの OSS のスポンサーになっています。 OSS のスポンサーになる際に、自分が経営者として勝手に気をつけている点を雑に書いていきます。
スポンサーであり、寄付ではない
あくまでスポンサーであり、スポンサーになる事で「宣伝になる」を前提としています。そのため名前やロゴをウェブサイトやブログ、リリースノートに載せてくれる事はとても重要です。
惰性でスポンサーを続けない
自分たちがその OSS を利用しなくなったり、スポンサーしている開発者がOSS から距離を置いた場合、スポンサーを停止するようにしています。
OSS スポンサーをするのが嫌だと思う人を採用しない
そもそも、OSS スポンサーしているのは「OSS への貢献をよしとしない」人と勝手に距離が取れるというのもあります。
零細企業による OSS スポンサーは社員の理解があってこそだと思います。
本業の売上げではなく、自分が稼いだ範囲で支払ってる
OSS スポンサーするくらいなら、自分の給与上げてくれよって思うのは変なことではないです。なので、今までは自分(経営者)が本業以外で稼いだお金だけをほぼ全額 OSS スポンサー(や寄付)に当てています。
ただ、最近は本業が充分な売上を上げられるようになってきたので、本業からも少し出していこうと思っています。
社員の給与をケチってスポンサーにならない
当たり前ですが、めちゃくちゃ大事です。十分な給与を出すことが最優先だと思います。
積極的に宣伝する
スポンサーというのは「宣伝する権利」だと思っているので、定期的に〜という OSS のスポンサーになっていますというのは発信するようにしています。
宣伝することで、他の企業がスポンサーになったりするかもしれませんし、OSS 自体の宣伝にもなると思います。何より自社の宣伝になります。
利用している OSS のスポンサーになる
あたりまえですが、使ってないけど有名な OSS のスポンサーになるとかはやめた方が良いです。
本業が稼げなくなったら止める
惰性で続けないに近いんですが、あくまでスポンサーなので、本業が稼げなくなったら止めるべきだと思っています。
金額を公表する
GitHub スポンサーは金額がオープンではないので、積極的に公開するようにしています。Open Collective は金額が公開できるので、便利です。
スポンサー費用としてどのくらい支払っているかというのは、アピールになると思っています。
対応が悪い場合はスポンサーにならない
どんなに素晴らしい OSS だとしてもスポンサーになるよ!メールを数ヶ月無視されたりすると、とても悲しくなります。対応が悪くない OSS のスポンサーになる事をお勧めします。
ちなみに今まで圧倒的に体験が良いのは OpenSSL です。対応がとても素早く、丁寧で素晴らしいです。
スポンサーだからといって要望は出さない
スポンサー特典に優先的に対応するというのがある場合は別ですが、スポンサーになっているから「優先的にこの機能を入れてほしい」や「優先的にバグ対応して欲しい」といったことは言わないようにしています。
ただし、スポンサーしてると Issues で報告した際に対応してくれやすい場合もあります。全く知らない人ではないというのはとても大事なことだなと実感します。
何か思いついたら追記していきます。