自社製品で食べていけるようになってからやってみていること

零細 IT 系パッケージメーカの場合

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6 min readFeb 17, 2019

これのその後です。実際にミドルウェアのパッケージ製品で食べていけるようになってからどうしてみているのかを書いていきます。

自社製品で食べていけるようになったのが初めての経験なので、どうやって行くべきなのか?というのがわかっていません。せっかくなのでこうやってみているのを書き出してみることにしました。

正解がわからないので、いろいろやってみてます。

自社製品について

いくつか自社製品がどのようなものかわかっている前提の話が書いてあるので自社製品について簡単に説明しておきます。自社製品は「音声や映像を超低遅延で配信するサーバ」です。WebRTC という技術を利用しています。

無理に拡大しない

会社が安定したからといって、無理に採用するというのはやっていません。むしろ採用はより慎重になっています。

採用したから売上が上がるというモデルをとっていないというのもあります。売上を上げるための採用ではなく、一緒に働きたい人を採用するを継続しています。

お手伝い継続

自社製品で食べていけるようになったからといって、社外のお手伝いは継続しています。ただし、積極的に取りにはいっていません。知り合い経由でお願いされたら、という感じです。

ただ、自分(経営者/創業者)は開発系の手伝いを一切受けていません。これは次世代の若者への投資をしているためです。とはいえ面白そうな仕事は大歓迎ですが。

お手伝いを継続しているのは「いつ何が起きるかわからない」からです。自社製品が複数あるわけではなく一つだけです。複数自社製品があればいいのかもしれませんが、複数の自社製品を持てるほど会社のリソースがあるわけではないので、お手伝いを継続しつつ自社製品に投資していくというのが良いと判断しています。

次世代の若者への投資

投資というか、仕事をお願いするだけですが。とっても優秀な若者たちにお仕事をお願いして助けてもらっています。

自分たちがなんでもかんでもやるのではなく、若くて優秀な人に積極的に表舞台に立ってもらうのはとても大事だと思っています。

お手伝いは自社製品関連を優先

今、受けているお手伝いのほぼ全てが自社製品関連のお手伝いです。今までは自社製品に関係ないお手伝いがほとんどでしたが、ここは自社製品関連のお手伝いを優先しています。

理由としては自社製品関連のお手伝いをすることで「自社製品のイケてない部分」のフィードバックをとても受けやすいからです。

お客様からフィードバックを受けるのはとても難しいですが、手伝っている社員からフィードバックを受けるのはとても簡単です。

機能や品質改善 > 機能追加

余裕があるときこそ機能追加をやらずに、機能や品質の改善を行っています。機能追加は最後の手段だと考えています。

それよりは自社製品に投資できる今、機能や品質の改善をすべきと判断しました。特に目に見えにくい部分の改善をしています。

現段階ではリファクタリングを優先課題として進めています。リファクタリングはその製品を開発する限りはずっと続く作業です。それを積極的にやっていくことが一番、製品寿命を伸ばせると考えています。

また自社製品が苦手としている部分を改善したりもしています。具体的には不安定な回線での録画機能、超高画質での配信などです。

自動負荷試験

1年計画で自動負荷試験を実現できるように社員が進めています。自動負荷試験は最も難しい試験技術の一つだと認識しています。

特に自社製品の場合は様々な条件や「目で見ないと、耳で聞かないと、わからない」という課題もありますが、ここにもチャレンジしてもらっています。つまり品質を人間の判断を入れずに行うという仕組みです。

様々な環境からの負荷を実現できるように焦らずじっくりと時間をかけて実現できるようリソースをつぎ込んでみています。

利用技術分野への貢献

自社製品は WebRTC という技術を利用しています。そこで WebRTC を学びやすくしようと考え、自社製品とはまったく別の製品を OSS として開発し、公開しています。

これは WebRTC を学ぶ際、ベンダーロックなしで学べる仕組みが必要と考えて開発、提供しています。沢山のサンプルを提供しすることで、 WebRTC に興味を持ってくれる人を増やしていければと考えています。

自社製品の SDK やクライアントの投資

もともと自社製品の SDK には投資していましたが、会社が安定したことにより社外の人にサポートをお願いしやすくなりました。

以前、手伝ってくれた人や新しく手伝ってくれている人に仕事をおねがいしたりしています。

自社製品と同様、機能追加よりは品質を優先しています。機能追加はコストパフォーマンスが悪いため、本当に売上に響くようになってから考えるようにしています。

次期自社製品への投資

一番大きく変わったのは新製品への投資ができるようになったことです。実際、自分の社外のお手伝いをほとんど減らすことができるようになったこともあり、自社製品と次期自社製品に投資をしています。

新しい期に入ってからは 2/3 は次世代への投資、1/3 は既存への投資とかなり次期自社製品への投資を優先していっています。

零細企業ということもあり短期間で何かを実現するというのがとても難しいと考えての判断です。まえもって準備をしておくのはとても大事だと考えていますし、安定している今こそ投資をして行くべきと判断しました。

まとめ

自社製品の優先度が 1/3 くらいだったのが 2/3 になったという感じです。それ以外はほとんど変わっていません。というか変わらないようにしています。変化が少ないのは悪い事のように思うかもしれませんが、零細企業の場合は積極的に変化をするのは命取りになると考えています。

今のところは自社製品への投資を今までより少し増やし、次世代への投資を始めるくらいがちょうどいいと考えています。

状況は変化するものなので、また何か変化があったら同じような内容で書き出してみようと思います。

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