自社の今期振り返りと来期に向けて

自社の決算が 9 末、あと 2 週間ということで振り返ってみたい。

前期が投資期で、 今期は種蒔き期なんて考えていたが、運良く回収期にもなった。正直色々と想定外の期だったように思える。

自社製品を中心に振り返って、ダラダラ書いていく。

運良く自社製品が売れ始める

営業がいないので、完全に問い合わせを口を開けて待つスタイルなので、いつ売れるかも運頼み。

それが 2017 年に入ってからはほぼ毎月売れて、社外のお手伝いの売上よりも多いこともあったりした。

自社製品の売上はキャッシュフロー的にとても安定するという事を、実感した 1 年だった。

大手に採用され始める

公開できる範囲だとリコー、スクエニ、ソフトバンク(敬称略)という大手に採用されたのは社会的信用という面で大きかった。打ち合わせでもうちが小さい会社だから心配という話がなくなった。

製品の性能や機能、品質などだけで勝負ができるようになった。

大きな会社がうちのような小さい会社から製品を買ってくれるのは本当にありがたい。感謝しか無い。

採用事例が順調に増えていく

採用事例というのは本当に効果が大きい。何より「今から自分たちがやりたい事と近いことに使われている」というのがサイトを見てすぐわかる。

採用事例が増えた要因としては、採用事例が出せない場合は製品の料金が高くなるという方針を取ったことだ。

採用事例が増えれば増えるほど初めてサイトを訪れた人に対するアピールになる。採用事例許可を顧客と交渉するのではなく、採用事例を公開させてもらうことを標準とし、難しい場合のみ料金を上げるという方針は英断だった。

自社製品 SDK の充実

自社製品の Android SDK の要望が多くなってきたことや、 iOS アプリで SNOW のようなフィルター加工をしてから映像を配信したいなどの要望がきたり、それができないことで採用を見送られたりということもあった。そのため、今期の後半は SDK に投資をする事にした。

正直ここまで SDK が重視されるとは思っていなかった。JavaScript SDK を開発してくれている社員が SDK の重要性をずっとアピールしていたので、申し訳なかったと思っている。

といっても社内のリソースは限られていることもあり、Android SDK に関してはこちらの要望を伝え lyokato に開発を依頼した。リリースやドキュメントは自社で行うという方式を取った。

また、 iOS SDK の改修やサンプルの開発は @akisute に副業として依頼することにした。今までは CTO が担当してくれていたが、 CTO の負荷を減らすためにも iOS でご飯を食べている専門家に手伝ってもらええるのはとっても助かった。今後も継続して手伝って貰う予定だ。彼は Kotlin もできるし、ウェブにも明るい。なにより UX/UI に強く、サンプルがとても使いやすい。流石だ。

SDK を OSS 化したのは社外の人に気軽に依頼できるようにするためというのもある。実績にもしやすいと思ったからだ。

製品の安定化

今期は自社製品に対して大きめの機能追加は全て見送り、細かい機能と安定性、さらにはコードの整理に注力することにした。

機能を追加するなら他社が追いつきにくい機能を追加したいのでじっくり検討したいというのもあった。また、自社製品は機能ではなく安定性だったり運用がしやすいという部分で戦いたいという気持ちが強い。

安定性重視を社員達がとても理解してくれるのはとても大きい。なにか新しい機能を自分が追加しようと相談したら「いらないと思います」と返してくれる、素晴らしい。

多機能を捨て、幅広い顧客に採用される事を諦めた期だったと思う。まずは単機能でいいから、安定的に配信ができる製品を求めている顧客を狙った。

実際打ち合わせでも自社製品の紹介は「弊社製品は3つしか機能がありません …」から入るくらいだ。

多機能にするのはいつでもできるが、単機能には一度多機能にした時点で戻ることはできない。

料金表の安心感

自社製品の売り方として、割引なども一切なく、料金は一定という方針を貫いてきたが、大量購入を検討する顧客が出てきたタイミングで、一定数以上のライセンスを買ってくれれば値引きするというすべての顧客に平等なライセンス料金表を用意することにした。

社員が考えに考えた末に作った料金表は本当によくできていた。

万人に平等な料金表は強い。お互い悩む必要がない。この料金表で買うのか買わないのかだけで良いからだ。

自社製品の料金を決めるのは難しいが、値引きが含まれた料金表を作るのはもっと難しい。

サポート専任に対する考えの変化

会社起業時のサポートに対する考えはできるだけサポート問い合わせを減らすで、これは今も変わっていない。

サポート問い合わせをする必要が無いくらいわかりやすい使い方で、ドキュメントが充実しており、さらには障害も起きない製品を作りたい。

変わったのはサポート専任を置きたいという考えだ。もともとパッケージ製品を扱う以上は売れれば売れるほどサポートの負荷は上がっていくことも有り、開発者のリソースが奪われるのはまずいと考え、サポート専任担当を置くべきという考えがあった。

しかし、この考えは顧客からの採用理由を聞い時点でひっくり返った。

どの顧客も「サポート対応がとても良かったから」といったサポートに対する評価が決め手となったパターンがほとんどだったのだ。

サポートの品質が高いのは当たり前で、自社製品のメイン開発者である自分がサポートのメイン担当だからである。ソースコードの隅から隅まで知っているのだから当たり前だ。また製品が利用しているプロトコルに関しても全て自前で実装しているわけで、知らないことは実装されていない事だけだ。

つまり開発者がサポートを担当していることが実は価値だったのだ。このタイミングでサポート専任を雇うという考えを捨て、開発者が直接サポートをするという方針に切り替えた。

この方針、社員達はむしろ「何をいってるんだおまえは?あたりまえだろ?」という反応で、自分だけがサポート専任が欲しいと思っていたという結果で終わる。反省した。

ソースを隅から隅まで知っており実際にコードを書いている開発者達がサポートをする会社、それが自社のやり方であるとアピールすることにした。

新入社員

社員が前前期に一人抜け、そして今期に一人、入ってきた。

人を採った理由としては、自分が外の仕事を手伝ってお金を稼ぐというのを減らしたかった事、自分以外の自社製品に対するコミットを増やしたかった事、自分が強くない部分をやってくれる人が欲しかったという理由だ。

ありがたいことに目論見通り、自分が苦手な Android SDK のリリース、自分が開発予定だったお手伝い、そして自社製品に対するコミットをやってくれている。理想通りで怖いくらいだが、本当に助かっている。

社員への賞与

起業してから一番出せた。本当に嬉しい。

会社の目標である稼いで社員に還元するを実感できた期だった。

自社製品売上が社員の給与を上回った

別でまとまってるのでこちらを見てほしい

来期に向けて

競合との差別化

来期は大きめの機能を積んで、自社製品の競合との差別化をしていきたいと考えている。つまり競合を潰していく戦いだ。市場はそんなに大きくない。やるかやられるかの戦いだと思っている。

新規顧客の獲得

来期は今期で売った製品のライセンス更新による売上が出る。更新は魔法だ。営業もいらず、本当にただ更新というだけで、売上が発生する。凄い。

更新は既存顧客の声に耳を傾け、良い製品を作り続けていけばよい。ただ自社製品を使ったサービスがうまくいかないなどもあるだろうから、更新だけを期待するのは間違いだ。

新規顧客の開拓も重要になってくる。新規は自社すら知らない状況なので、何かしらのアプローチが必要になってくる。来期はもっと外へのアピールを増やしていこうと思う。

有料サポートの開始

自社製品サポートは、製品料金に含まれている。ただ自社製品用の SDK は範囲外とさせてもらっていた。これはリソースが少ないことや SDK の開発が落ち着いていなかったためだ。

来期は iOS や Android の SDK 開発が落ち着いたタイミングで、SDK のサポートを有料で販売していきたいと考えている。ある程度高めの値段設定にすることで、品質も上げていきたい。

パートナー探し

自社製品がミドルウェアのため、性質上システム開発が必須となる。そのあたりを自社で受けるのは厳しいため、大きめの会社と組んでいきたいと考えている。

実際今1社がかなり積極的に動いてくれているので、成功事例を作りたい。

新しい分野の種まき

既存の自社製品以外の新しい何かを作りたいと考えている。といってもすぐにこれで!というのは社内リソース上厳しいのでゆっくりと。

小さな会社なので、スケールアップやスケールアウトを焦ってはいけない。

いくつか興味がある分野があるので、そのあたりの調査をしたりプロトタイプを作ったり、外へアピールしていきたいと思う。

まとめ

やっていく。

Written by

Erlang/OTP / 時雨堂 / WebRTC / E2EE

Get the Medium app

A button that says 'Download on the App Store', and if clicked it will lead you to the iOS App store
A button that says 'Get it on, Google Play', and if clicked it will lead you to the Google Play store