時雨堂 7 期振り返り

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9 min readSep 21, 2019

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時雨堂は 9 月が期末です。ということで振り返っていきます。

秋の時代

豊作の秋

今期は外の仕事を減らしたはずなのに、なぜか馬車馬のように働いた前期の過去最高の売上をさくっと超えて過去最高の売上を更新しました。自社製品の売上は前期比で現時点で約 2 倍でした。

自分の想定とは大きく異なりますが、会社的にはとても良い結果になりました。つまり経営者としては完全に無能ということです。

方針通りには進んだ

前期の始まりに掲げた会社の方針は以下のとおりです。

今期は新規のお手伝いする場合は WebRTC や負荷試験など時雨堂が今後やっていこうとしている方向に絞って受け、それ以外は自社製品にコミットしていくという方針を取っていきます

この方針はほぼ守れています。 WebRTC と負荷試験以外の仕事はほぼ受けていません。それ以外の仕事はお手伝いしてくれている めるぽんkdxu に作業をお願いして、設計、リリースド、キュメントを自分が担当するという感じです。

ほぼ社員である tnamao は WebRTC 関連の仕事や社内の雑務を手伝ってくれました。

自社製品の売上が大幅に伸びた

自社製品の売上の伸びが大きかったです。サブスクリプション型ということもあり、ここ数年間で積み上げてきたのが土台となりつつも新規顧客を安定して確保できたというのもあります。

とくに後半はかなりの数が売れました。幅広いところで利用いただいて本当に感謝しています。

今後も新しい技術を取り入れながらもシンプルさや安定さを重視した製品づくりを心がけていきます。

社員たちが社外の手伝いで利益をだしてくれた

自分がクローズド、オープン関わらず自社製品にリソースをつぎ込んでいるため、外のお手伝いでの利益は社員たちが頑張ってくれました。本当に助かりました。

今期は前期を上回る賞与で 1 人 1000 万円以上です。

オープンソースへの投資

WebRTC Native Client Momo

去年から始めた WebRTC Native Client Momo の GItHub のスターが 180 を超え、認知度がぐっと上がりました。いろいろな人が試してくれたようです。

さらに Momo は めるぽん のおかげで、Windows 版のビルドツールの販売という OSS の新しいかたちでの利益の出し方にもチャレンジできています。

Raspberry Pi だけでなく、Jetson Nano にも対応し、利用の幅が広がっていっています。

WebRTC Signaling Server Ayame

WebRTC P2P 向けのシグナリングサーバをベンダーロックインフリーで提供したいという思いから WebRTC Signaling Server Ayame の提供を開始しました。メイン開発者である kdxu がかなり頑張ってくれています。

こちらも GitHub のスターを 80 以上と少しでも WebRTC を触ってみる人に貢献できていると感じています。

iOS や Android の SDK の提供も準備を進めています。Web / iOS / Android / React Native で使えるシグナリングサーバになっていっています。

かなりシンプルで性能もでる作りになっているため、是非使ってみてください。

React Native WebRTC Kit

React Native 向けの WebRTC ライブラリである React Native WebRTC Kit はiOS/Android チョットデキル知り合いや社員たち、 kdxu が頑張ってくれました。

Android 対応がリリースでき、今後は Sora との関係性を切り離してライブラリの独立性を高めていければと思っています。

また React Native for Windows 対応も進めています。今後 MS が React Native の macOS 対応も進めていくようなので、それに合わせて macOS 対応もしていく予定です。

クローズドソース製品へのコミット

自社製品へリソースをつぎ込んだ

自分が外のお手伝いを極限まで減らし、徹底的に自社製品にコミットできました。主軸製品である WebRTC SFU Sora はもちろんのこと、それ以外にもかなりリソースをつぎ込めました。

新しい技術の採用

他社が採用できていないような技術を積極的に採用することで、差別化を行っていっています。

WebRTC SFU Sora ではサイマルキャストを利用した配信に力を入れていっており、競合が OSS や海外のサービスを担いでいるなか、フルスクラッチでの開発の強み出していけたと思います。

自社サイトの更新

更新が止まったサイトは死んでるということで、積極的に自社や自社製品のサイトを更新してもらっています。

これは総務が1からイラストレーターを覚えて、HTML や CSS を学んで更新してくれています。イラストレーターの金額を調べて、体験中に色々動画を見ながら勉強して、課金を決めるという、手堅い戦略をとっていました。

tnamao が CircleCI でデプロイを自動化してくれているので、気軽に試せます。git revert も覚えてくれました。

SDK の維持

とてもコストが高い自社製品向け SDK を頑張ってメンテし続けてくれています。これが維持できているのは本当に強みです。かなり安定したリリースができています。

iOS 、Android 、ウェブと3種類を常に最新の技術を使いながらアップデートしていっています。

自社製品テストシステムの研究

ずっとやりたかった、自社製品向けのテストシステムの開発というか研究をしています。答えがある世界ではないのでまずはトライアルアンドエラーということで、社員が淡々と作ってみて、試してみてを繰り返しています。1 年以上は余裕でかかると考えています。やることも多いですし、難易度もとても高いです。

最終的には自社製品を買ってくれた人向けに提供できるテストシステムにしたいと考えており、数年は投資していく予定です。

自社サービスへのコミット

WebRTC シグナリングサービス Ayame Lite

Ayame を利用したサービスの提供を開始しました。Ayame をホスティングするだけでなく、TURN サーバの提供や、ルーム単位での認証機能を提供しています。自社用の管理画面も社員に作ってもらっています。

色々と新しい技術を試す場としても使っています。

時雨堂 WebRTC シグナリングサービス Ayame Lite 開発ログ

お手伝いしてくれている人たち

時雨堂は社外のお手伝いしてくれている人たちがいますので、紹介していきます。

最近は主に tnamaokdxuめるぽんenm10k の 4 人です。tnamao はほぼ社員なので雑に。

tnamao

tnamao は時雨堂のほぼ社員です。もともとが業務系出身ということもあり、なんでも一通りできます。主にインフラとメトリクス系、バッチ処理、管理画面系をお願いすることが多いです。

kdxu

kdxu はモバイルから、フロント、サーバ、インフラまで一通りできてさらに新しい技術への理解力も早いため重宝しています。

OSS では複雑であまり誰もやっていない難しいやつを、外のお仕事を手伝ってもらうときはモバイルからインフラまで一通り人並み以上にできて隙がなく、全部お願いしています。

超高性能ワーカーとして本当に素晴らしいです。好き嫌いが無いのも仕事がしやすいです。そして、彼女はとにかく真面目です。

めるぽん

めるぽんはビルド職人と C++ チョットデキルとして OSS やお外のお手伝いで主に活躍してもらっています。

ビルドって凄い難しいのですが、どうも適当に扱われている気がします。ビルドに力を入れることによってかなりの差別化が実際できています。

Momo が make 一発でビルドできるのは彼のおかげです。ビルド職人の価値向上ってのが結構自分の中であるので、今後も彼と組んでビルド職人の凄さをアピールしていきたいと思います。

enm10k

enm10k はかなり前から「時雨堂と仕事をしたい」と言ってくれていた若者です。

彼は未体験ゾーンである React Native for Windows で WebRTC を利用可能にするというミッションをお願いしています。情報がまったくない中で、色々手探りで進める力は本当に助かっています。

今後、色々アウトプットしていって貰う予定です。

うまくいかない時もある

今期というよりかは起業してからですが、色々な方にお手伝い頂いただきました。ただ、残念な事も何度かありました。

簡単に言うと「依頼した内容どおり、働いてくれない」というのを何度か経験しました。これは他の経営者に聞いても同じような経験をされているようなので、避けようのない話だと思います。

働いてくれない方たちとは縁を切って二度と仕事をしないことにして、納得することにしています。

8期に向けて

来期は「自社製品への投資」がテーマです。クローズドソース、オープンソース関係なく投資して行ければと思います。

新しい技術で言えば QUIC / WebTransport や AV1 でしょうか。この辺はすでに色々準備していることもありあまり焦ることなく進められそうです。

自社製品が増え、投資先が増えてきましたが社外の人とうまく連携し自社製品を伸ばして行けています。情報をオープンにすることで興味を持ってくれる人も増えて行きているように感じています。

よりオープンに、よりシンプルに色々とやっていければと思います。

来期もよろしくお願いいたします。

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