なぜ WebRTC SFU PaaS をやらないのか

たまに聞かれることがあるのでまとめておきたい。勘違いしてほしくないのは WebRTC SFU PaaS はやりたい、ただ自社で提供するデメリットが今の段階では多すぎるのでやるという選択肢を経営者として取れない。

結論

売り上げる方法が従量課金制しかなく、正社員が片手で足りてしまうような小さな会社では黒字に転換できるとは思えないから。

詳細を書いていく。

自社の WebRTC SFU はフルスクラッチで書かれており、それをパッケージ販売している。今流行りのPaaS をなぜやらないのか?と思う人が多いようだが、正直自分が考える限り相当デメリットが多い。

まず忘れてはいけないのはマネージドな WebRTC SFU を提供するという価値しか無いことだ。それ以外はない。

PaaS の運用コストが高い

無料提供はありえないので、有料提供になるとさすがに 24/365 での対応が必要になる。これは売上があがったとしても会社として 24/365 対応が必要になるので、厳しい。特に小さな会社としては圧倒的に厳しい。

PaaS をやると従量課金制以外で売上を上げる方法がない

WebRTC SFU PaaS を提供しているすべての会社が従量課金制でサービスを提供している。これは理由は単純でネットワーク転送量に費用がかかるから。特に安定したネットワークで提供するとなると必須になる。

この方式を取りたくない。沢山利用してもらうことで儲けるというのが自分には合わない。定額で買ってもらって、それで終わりにしたい。従量課金制だと使うのにドキドキする、単純に自分が苦手だ。

PaaS のクラウドサービスコストが無視できない

サーバのアップデート、クラウドの計画停止、セキュリティアップデート、監視、ログ保存、やることは沢山ある。

ただ、前述したとおり従量課金でしか稼げないので沢山使ってもらう必要がある。たくさん使ってもらうためにはある程度サーバを用意する必要がある。この辺りは自動化できるだろうが、自動化をするコストも、それを維持するコストも無視はできない。

利用するであろうクラウドが落ちた時責任とりたくない

どうしようもない。やるならマルチクラウドサービスで回避する程度か。そうなるとクラウドサービスコストがますます無視できなくなる。

簡単に使えすぎるようにするとサポートの負荷が高くなる

実はこれもかなりある。パッケージ製品だとある程度技術スキルがないと扱うのは難しい。なぜなら今まで書いたことを自前で実現する技術が必要になるからだ。

これは小さな会社としては大変重要になる。サポートに避けるリソースは限られているためだ。とはいえサポートは最優先事項で自社の顧客はほとんどがサポート目的で購入してくれる。

そのため顧客には最高のサポート提供したいと考えている。そのためには少ないリソースではある程度技術スキルがある事を前提するのが一番効率が良い。

なぜ WebRTC SFU PaaS をやりたいのか

とにかく多くの人に自社の WebRTC SFU の便利さを知ってもらい使ってほしいから。そして気軽にサービスに利用してほしいと考えているからだ。

ただ、そのためには多くのリソースが必要になる。今の自社の規模ではそれを実現するのは難しい。そのため自社で提供するのは無償でちょっとだけ使えるサービスにとどまっている。

もしどこかの会社が自社製品を使って PaaS をやりたいのなら協力したい。今まで何社かが声をかけてきてくれたが、どの話も立ち消えになってしまった。残念だ。

Written by

Erlang/OTP / 時雨堂 / WebRTC / E2EE

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