なぜ WebRTC なのか

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3 min readMay 3, 2018

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前にも似たような話は書いていたが、何度も書いて見たほうがいいと思うので、書くことにする。

WebRTC の話をする前にリアルタイムな双方向での音声や映像配信技術について話をしたい。この技術は Skype や Facetime や LINE などで気軽に利用している人が多いと思う。

リアルタイムな双方向での音声や映像配信技術の何が凄いかというと、遠くにいる人と相手の映像を見ながら会話ができることだ。それも遅延をあまり感じずに。

これは本当に凄い技術なのだが、今ではスマートフォンさえあれば気軽に体験できてしまう。距離を縮めるという意味でリアルタイムな双方向での音声や映像配信技術の需要は今後も増えていくだろう。

WebRTC はこれをブラウザさえあれば実現できるようにした技術だ。この時点で正直気が狂ってると思っている。今までは専用アプリが必要だったり、もう少し前であれば専用ハードが必要だった双方向リアルタイム映像配信が、ブラウザで実現できる。

さらに、今までの仕組みよりもよりよい画質を実現して。

普段、ブラウザを使わない人はほとんどいないだろう。この普段使っている道具に何もインストールすることなく、セキュアに高音質で高画質な双方向リアルタイムに配信を実現できる技術。それが WebRTC だ。

WebRTC にはメディアデバイスの認識、最新のコーデック、暗号かされた最近の通信、さらに P2P を実現するといった様々な技術などが詰め込まれている。

そして使うだけであれば知識は殆どいらない。なんとなくコードを書いて、必要な環境を構築をしてしまえば繋がる。

遅延は数百ミリ秒の世界。ほとんど違和感を感じないレベル。それをブラウザさえあれば実現できている世界は本当にすごい。

もともと自分は双方向リアルタイムな音声や映像配信技術に興味があり SIP サーバを書いていたのだが、どうも端末側の癖がひどいことや、古臭い世界と感じて WebRTC に切り替えた。

WebRTC はまだまだ進化している。日々日々大量のコミットがされていっている。より良い音声や画質、より不安定な場所でも安定的に繋がるように、様々な改良がされている。

この技術にゴールはない、遅延は少なければ少ないほどいいし、ビットレートは低ければ低いほどがいい、そして音声や画質はキレイであればあるほどいい。

これらの技術に限界はあるだろうけどその限界に届くのはまだまだ見えない。

WebRTC は沢山の可能性がある技術だとおもっている。実際自社の製品はいろいろな場面で使われている。

ただ、この技術はまだ未完成品や使い物にならないと思われていることが多い。それは間違いだ、古い情報に振り回されてはいけない。WebRTC はもう本番投入可能な技術だ。

例えばある会議システムを販売しているお客様が自社製品 WebRTC SFU のデモをみたら、画面の表示が早く、映像も高画質で安定していると驚いていた。

実際に本番投入可能な技術が日々改善されていく世界、それが WebRTC だ。この技術は本当に面白いし、奥が深い。そして学ぶことも多い。また闇も多いのも魅力の一つだ。

だから、自分は当面は WebRTC にリソースをつぎ込み続ける。

ちなみに、WebRTC より簡単にリアルタイムな双方向での音声や映像配信技術が出てきたらそちらに切り替えるだけだ。おそらく WebRTC で得た知識や経験は少しは生きるだろう。

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